このコラムをクリックしてくださったあなたも、お子様の成長で「最近、難しいな」と感じた経験は一度や二度はあるのではないでしょうか。
我が子の話で恐縮ですが少しお話しさせてください。
大分県が小中学生に配布する「未来を描くキャリアノート」には、1年間頑張ったこと、学習・生活・学級・将来の夢などを記す欄があります。
5年生ごろからその項目すべてに「わからない」と一言だけ書くようになりました。
「まぁね。わからないよね。」と思いつつも、この変化に「うちの子はこれで大丈夫なのか」と一抹の不安も覚えるものです。
このように、思春期頃になり、今までしなかった子どもの態度や返答にどのような対応がいいのか迷われる保護者の方はとても多くいらっしゃいます。
しかし、子どもの反応・態度が塩対応であったとしても、親として伝えたいことは伝えたいもの!
そこで、今回のコラムでは、お母さんたちに思春期児に伝えてもらいたい「未来、人生、そして社会」の観点から一緒に考えてみたいと思います。
思春期とは
まず、思春期とはどんな時期かを簡単にお伝えします。
思春期は、子どもから大人へと成長していく過程で重要な時期です。
年齢でいうと一般的には、10歳前後から20歳頃にかけての時期をさします。
この時期は、体の変化だけではなく、自己肯定感やアイデンティティの形成、社会的な役割や責任についても考える時期でもあり、子ども自身の変化、そして周囲との関係にも大きな変化が現れます。
その中でも、親子関係は大きな変化を遂げる時期です。
このような大事な時期に、親として思春期児に伝えたいことを次にまとめました。
1.未来のこと
「将来・未来・先のことを考えて欲しい」と親は願うものですが、10代の思春期児たちはというと、今を生きることに夢中です。
そして、経験が浅い子どもたちにとって将来起きるかもしれないことを考えるのは、実はものすごく苦手なことです。
しかし、この年齢の子どもたちは、好奇心は旺盛です。子どもが好きなジャンルや方向性から好奇心を刺激しながら伝えたい内容を伝えてみましょう。
うちの子は、聞き耳を持たない!と感じることも多いしれませんが、実は将来の選択や進学について不安を感じている子は少なくはなく、アドバイスが欲しいと思っている子は多くいます。
そこで人生の先輩であるあなたの出番です。
先輩だから伝えられる経験内容はたくさんありますよね。
将来の夢や目標、やりたいことについて話し合い、共感しあいましょう。
この時、共感の姿勢は非常に大事で、お母さんの意見の押し付けにならないように気をつけましょうね。
そうすることで、子どもたちは、自分自身の価値観や将来の方向性を徐々に見つけるようになっていきます。
2.人生のこと
人生には、いろいろな出来事が待っています。
成功や幸せばかりでなく、失敗や悲しみが訪れることもあります。
しかし、人生とは、どんな時でも、前向きに考え、失敗や悲しみも乗り越えていかなければなりません。
ですが、子どもたちはまだまだその失敗や悲しみにうまく立ち向かえなかったり、乗り越えられなかったりと、その出来事が人生のすべてのように感じてしまいがちです。
しかし、このような時こそ親が一緒になって考え、行動することで、困難を乗り越える力を身につけることができます。
親が、言葉や行動で「大丈夫だよ」「一緒に乗り越えるから」と伝え見守ることで、子どもたちは心強さを感じ、前向きに頑張ることができます。
3.社会のこと
人間は、社会の一員であり、1人では生きていくことはできません。
仲間、友人、人間関係、コミュニティの大切さ、そして、誰かが誰かのために働くことで社会は繋がっていると伝えることはとても大事です。
そのため、社会のルールやマナーを知り、それを守ることはとても重要になってきます。
この内容を子どもにどう伝えるかが問題ですよね。
そこで、子どもがわかりやすい方法をお伝えしますね。
子どもたちには、社会のことを学ぶ機会を与えてあげましょう。
例えば、お買い物に行くときや食事に出かけたとき、その場に相応しい態度を見せるように言葉をかけるといいですね。
また、困っている人に助けを求められたときに、優しく対応することも思春期児にとって大切な教育だと思います。
そして、何より大事なのは親自身が率先してその態度をとる事が大事です!
以上、未来、人生、社会について、思春期児に伝えたいことをまとめてみました。
最後に
今回コラムの中で一緒に考えてきた内容は、「今から話があるから座りなさい」と伝えるようなやり方はおすすめしません。
「座りなさい」と言われた瞬間、子どもたちの耳と心はシャットダウンされるでしょう。
そのような伝え方よりも、日常の会話の中に自然と織り交ぜていくことがポイントです。
一緒に考え、話し合い、共感しあうとする姿勢は、何気ない日常会話の中の方が子どもたちに伝わりやすく効果的です。
子どもとの会話で、このコラムを思い出した時がおそらくベストなタイミングでしょう。
その時にさらっとお話してみてくださいね。
あなたの愛情は必ず子どもに届きます。私はそう信じています。