コラム:子育て

お口を育てる手づかみ離乳食のすすめ

歯並びが悪い、顎が小さいと言われたという悩みを抱えている方が多くなっています。硬い物が食べれないなど、現代病とも思われる現象。少しでも、こういった悩みを解消出来る様に離乳食初期からできるお口を育てる食事について紹介させていただきます。

Baby-Led Weaning(BLW)赤ちゃん主導の離乳とは??

BLWとは6ヶ月の赤ちゃんにピューレや「ベビーフード」をスプーンで食べさせるのではなく手でつかめるものを与えるというものです。まだ歯もはえていない赤ちゃんに固形のものを食べさせるなんて、喉につまらせたらどうするの??と思う方も多いと思います。なぜ手づかみ離乳食がいいのでしょうか??今回はお口を育てれるという概念から説明したいと思います。

BLWのメリット

○ 赤ちゃんの咀嚼能力、手指の巧緻性、手と目の協調運動を発達させ、赤ちゃんの意思を尊重することができ、自尊心を高めながら、赤ちゃんの持っている能力をしっかりと引き出すことができる。

○ 赤ちゃんは出生してから食べる機能を獲得するとともに正しい舌の動かし方を学ぶことがとても大切になります。出来るだけ形のあるものを与えると

  1. 食べ物をかみとる
  2. 繰り返しかむ
  3. 飲み込める様に口の奥へ食べ物を運ぶ

これらの動作は食べる機能を獲得するとともに舌の正しい動かし方を学ぶことができます。この時に身につけておく舌の動きが後々とても大切になります。

舌の動かし方が原因で

  1. 咀嚼能力が低下する
  2. うまく話せない
  3. 歯並びが悪くなる(正しい舌の位置や動かし方が違うため)
  4. 口呼吸になる
  5. 顎が小さくなる歯並びが悪くなる

離乳食時期の食形態を工夫することは子供達の発育をより良い方向へと進めることができます。

始め方と注意点

  1. 家族と一緒に食事をします。
  2. 初期は母乳やミルクを飲ませて空腹の時間は避けるようにする
  3. 赤ちゃんをまっすぐ座らせる(膝の上で食べさせる場合は、赤ちゃんの身体を安定させるために必要に応じて身体を支える)ハイチェアで食べさせる場合はタオルを赤ちゃんの腰周りに置くなどして椅子にもたれないように安定させる。背筋を伸ばして座れるように環境を整えます。
  4. 赤ちゃんが選べるようにいくつか食材を準備します
  5. 赤ちゃんがつかみやすい形やお大きさになる様に調理する(スティック状や大きな帯状に簡単にカットできる食品から始めましょう)
  6. 喉に詰まる可能性のある食べ物は与えない(ナッツなど)
  7. 塩分・砂糖を多く含むもの
  8. よく火を通してない肉や魚
  9. 繊維が多く食べにくいもの
  10. 蜂蜜
  11. 他の人が勝手に赤ちゃんの口に食べ物を入れないように注意する
  12. 赤ちゃんが食べ物を手づかみしている間は気をそらせたりしない

まとめ

 歯並びが悪いと生活の質も低下し、全身の発育にも大きな影響を与えていきます。赤ちゃん主導の離乳(BLW)により、食べ物をつかみ、口に運び、噛むことが刺激となり、視覚と手指の協調運動、口腔機能などの能力は次々と開花していきます。それは全身の成長発達を促進するといういい循環を生み出すものです。子育てに正解はありませんので、お母さんお父さんのやりやすいやり方で離乳食も進めて下されば幸いです。

ABOUT ME
volcano.kachan
volcano.kachan
歯科衛生士としてフルタイムで働きながら2児のママとして毎日奮闘する日々を送っております❤️ 歯科衛生士 日本離乳食小児食育学会認定士