大分県多胎妊産婦さんへの訪問等支援事業は、先輩多胎児ママであるピアサポーターが助産師さんと一緒に後輩多胎児ママのご自宅を訪問し仲間としてサポートする事業です。
ピアサポーターは年に3回の研修を受講しており、2025年2月今年度最後の研修である「多胎ピアサポーター研修/事例共有会」がホルトホールで開催されました。
研修では実際に今年度訪問したピアサポーター、助産師さんが事例を発表し、みんなで共有しました。

そもそも、今後大分県多胎妊産婦さんへの訪問等支援事業の利用を考えている方の中には
- 「助産師さんだけ、ピアサポーターだけ、など1人じゃだめなの?」
- 「訪問先は自宅じゃないとダメなの?」
そんな疑問をお持ちのママもいるかもしれません。
今回は、みんなで共有した事例をもとに、2人で訪れる理由や自宅訪問のメリット等をお伝えできればと思います。
いろいろな環境の多胎ママたちがいることの強み

研修の前にまずは自己紹介から。
未就学児のふたごママ、小学生のふたごママ、みつごのママ、ふたごの他に兄弟児がいるママ、パパが育休を取ったママ、ワンオペで乗り越えたママ、バリバリ仕事をしているママ、実際にご自身もピアサポーターの訪問を利用したことがあるママ等々、ピアサポーターには様々な環境の多胎児ママたちがいます。
(どんなピアサポーターさんがいるのかはこちらからご覧ください)
いろいろな環境のママがいるからこそ、訪問先のママの気持ちに共感でき、過去に同じ経験をした先輩多胎ママとしてお話を聞くことができる。いろいろな環境の方がいるというのも、ひとつピアサポーターの強みです。
実際に家を訪れることのメリット

自己紹介のあとは、4つの事例を深堀していきました。
訪問へ行くと、はじめての出産、そしてふたご、みつごということで、どんな物がどのぐらい必要なのか、育児のイメージが湧かずに不安が大きくなっている妊婦さんも多かったです。
例えば、大人1人で赤ちゃん2人、3人を沐浴もしくは入浴する際に、1人を入れている間もう1人、2人がニコニコして待ってくれている時ばかりではありません。
どうしたらできるだけスムーズに2人、3人を沐浴できるのか、実際におうちに行き導線を考えながら、ひとりひとりに合った方法をママ・パパと相談しながら一緒に考えます。
自宅で行うことで、ママ自身もイメージができるようになったとおっしゃっていただけたケースもありました。
専門職の助産師さんと同じ多胎の子をもつ先輩ママのピアサポーター

では、次にどうして助産師さんとピアサポーター2名体制で訪問するのでしょうか?
例えば、助産師さんへは下記のようなご相談をすることができます。
- 母乳のこと
- 産後のママの身体のこと
- ミルクの量の増やし方
- 赤ちゃんの発達
- 離乳食の食べムラや食べる量がそれぞれで違うことへの不安
- 利用できそうな行政の制度の紹介等々
一方、ピアサポーターは、等身大で同じ多胎の子をもつ先輩ママとしてお話を聞き、必要な時には自分の経験をお伝えします。
- 同時泣きの対応方法
- 2人、3人同時に食事をあげる方法
- 2人、3人同時または順番に沐浴、お風呂に入れる方法等々
ただし、それはあくまでピアサポーターの経験であり、実際に訪問先のママ、パパにとってどういう方法がいいのかは、訪問時に一緒に考えていきます。
専門的なお話をする助産師さん、気持ちが共有でき、そして少し先の未来を見せてくれるピアサポーター、2人が揃うからこそより手厚く多胎ママたちをサポートでき、満足度100%に繋がっているのではないかと思うのです。
まとめ

多胎育児における活動は、訪問先のママ、パパの立場に立って寄り添い、共に解決策を見つけていくことが大切です。助産師さんとピアサポーターが共同して行うことで、いろいろな視点から、それぞれのご家庭に合った解決策を一緒に考えることができるのです。
多くの多胎ママたちが安心して出産・育児を楽しめるように、これからも活動を続けていきます。
ご利用したい方、相談をしてみたい方はぜひ下記よりご確認下さい。
「大分県多胎妊産婦さんへの訪問等支援事業」の詳細
多胎妊婦さん・多胎児がおおよそ1歳になる皆さまで、「大分県多胎妊産婦さんへの訪問等支援事業」についての詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
「大分県多胎妊産婦さんへの訪問等支援事業」では、訪問利用者さんへピアサポーターが多胎育児冊子を配布中です。
写真・文:板野千尋