「地域の親子のために、もっとできることがあるはず」
「大切な活動を、これからも続けていきたい」

そんな思いを、日々の実践につなげるために。大分県の「子育て応援活動人材育成事業」の一環として開催された、全3回のリーダー養成講座。活動の目的や役割を見つめ直し、安心して情報を届ける方法、地域と支え合う仕組みを学びました。

10月5日の最終回は、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの三島理恵さんを講師に迎え、「こども食堂の全国的な実践から学ぶ地域ネットワークづくり」をテーマに、自分たちの活動の可能性を考えました。

親子を支える力は、地域のさまざまな人の中にある

三島さんが紹介したのは、食事の提供をきっかけに、こどもや保護者、高齢者など、多様な人が出会うこども食堂の実践です。

閉園した保育園を活用した岡山県新庄村の事例では、集まったこどもたちを見て、高齢者から「うちの村にこんなにこどもがいるなんて知らなかった」という声が上がったそうです。

こどもや子育てをきっかけに人がつながることで、こどもはもちろん、保護者も孤立せず、地域のさまざまな人と共に子育てを支える関係が育まれる。その役割は、こども食堂に限らず、親子の居場所や、母親同士がつながるコミュニティなど、さまざまな子育て応援活動にも重なります。

自分たちの場に来る親子だけでなく、その周りの人たちにも目を向けること。地域の中に、共に子育てを応援する仲間を見つける視点が見えてきました。

つながりは、活動を続けるための力になる

地域の団体や事業者、行政などと協力するこども食堂の事例からは、活動を続けるためのヒントも得られました。

三島さんが伝えたのは、支援や情報に加えて、活動する人の気持ちが循環することの大切さです。

これは、子育て応援活動にも通じる視点です。困ったときに相談できる相手がいる。互いの得意なことを持ち寄れる。経験を分かち合い、励まし合える。そうした関係は、一つの団体だけでは難しいことに取り組む支えにもなります。

講話後は、「大分だったらどんなことができるか」をグループで話し合いました。事例を聞くだけで終わらず、自分の地域や活動に置き換えて考える時間となりました。

活動を振り返り、次の一歩を言葉にする3日間

全3回の講座では、活動の目的や強み、関われる範囲の整理から、SNSでの発信とリスク管理、地域との連携へと学びを重ねました。

「何のために活動するのか」「その思いをどう届けるか」「誰と共に進めるか」。日々の実践の中では立ち止まりにくい問いに向き合い、他の受講者との対話を通して考えを深めていきました。

受講後のアンケートには、こんな声が寄せられています。

「自分が活動しながら感じていることを、時間をかけて見つめ、振り返り、言葉にすることができたことは大きな収穫でした」

「団体として大切にしたい軸を仲間同士で改めて確認し合いたいと思いました」

企業との連携に向けた働きかけや、団体内での学びの共有など、今後取り組みたいことを挙げる回答もありました。学んだことを、それぞれの現場に持ち帰ろうとする姿がうかがえます。

支える人にも、学び合い、支え合える仲間を

この講座では、活動分野や経験年数の異なる人たちとの出会いも、大切な学びになりました。

「日頃のこども園の研修では知り合えない方々と出会うことができ、色々な立場や活動をされている方とつながることができ、今回この研修に参加させていただき本当に良かったです」

「今抱えている問題を、一人で背負うのではなく仲間や地域に働きかけて一緒に解決していきたいと思いました」

親子を支える人自身が、一人で抱え込まず、相談し、学び合えること。その経験は、活動を続ける力につながります。

私自身、こども支援団体にかかわるようになって数カ月。自分にできることは何だろうと悶々としていた時に出合ったのがリーダー養成講座でした。

「今まで通りでいい」と背中を押してもらえた部分もあれば、新たな視点にハッとさせられたり、深く考えさせられたり。「自分にできること」にしか目が向いていなかった今の自分と向き合う時間になりました。


その中で見えてきたのは、支える側も一人で悩まず、一緒に知恵を出し合い、考えることの大切さ。
「何か一緒にできそうですね」と声をかけてくださった方もいて、新たな一歩を踏み出せそうな期待が膨らみました。今はその「何か」を自分なりに模索しています。

自分と同じような志の仲間が近くにいると分かる。そこから活動の可能性が広がり、チャレンジしたいと思うことが芽生えてくる。そんな体験を得られた研修でした。

自分たちの活動の価値を確かめ、新しい視点と仲間に出会い、次の一歩を考える。

3日間で育まれた学びとつながりを、それぞれの地域での子育て応援へ。

講座を終えた今、その歩みが期待されます。

講師紹介

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長

三島 理恵(みしま りえ)

寄付文化の醸成を目的として2009年に設立された日本ファンドレイジング協会(JFRA)創立メンバー。企業、NPO、行政、国際機関などが協働する寄付キャンペーン「寄付月間-Giving December-」の立ち上げ等に尽力。
「こども食堂安心・安全向上委員会」クラウドファンディングでアドバイザーを務め、むすびえ立ち上げに参画。
むすびえでは、設立から広報ファンドレイジングの責任者を務め、2022年理事就任、2025年より現職。

むすびえのサイトはこちらからご覧いただけます。

https://musubie.org/

リーダー養成講座 第一回・第二回についてはこちらから

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