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3分で読める 心温まるショートストーリー

大切な人と、大切な時間を過ごしたい。
そう思ったとき、あなたはどこへ行きますか。
ここに、あのお店が起点になった3つの話があります。

思い出は永遠に (幾嶋あやかさん編)

子どもの頃、年に一度だけ、
おじいちゃんが連れていってくれる場所があった。

鉄板の熱、肉が触れる音、鼻の奥に残る香り。
幼い私はその前に座るたびに、肌で感じていた。

——ああ、私は、大切にされているんだ。

だから思った。 娘のえみにも、
この「愛の記憶」を届けたい。

変わっていく背中

二年前の誕生日は、個室を選んだ。
泣き出しはしないか、じっとしていられるか。
そんな心配ばかりが先立っていた。

今年は迷わず、カウンターを選んだ。
それだけで、この子がどれほど大きくなったか、わかる気がしたから。

当日、えみは一番お気に入りのワンピースを着て、
幼稚園の王冠をかぶって現れた。
その目は、鉄板の炎よりも、ずっときらきらと輝いていた。

止まった時間

目の前でシェフが、穏やかに娘へ語りかけた。
その瞬間、私は息を呑んだ。

あの人見知りの娘が。
知らない大人と目を合わせることすらできなかった、あのえみが。
シェフの顔をまっすぐ見て、小さな、でも確かな声で、返事をしたのだ。

ジュウ、という鉄板の音だけが響く中で、 目の奥が、静かに熱くなった。

愛は、手から手へ

帰り道、えみの小さな手を握った。
繋いだ手のひらは、驚くほど温かかった。

おじいちゃんが私にくれた、あの日の「温度」と同じだった。

ここは、愛の記憶が生まれる場所だと思う。
いつかこの子が迷い、立ち止まったとき、
今夜の熱が、胸の奥でそっと灯りますように。

言えなかった言葉が・・・(佐藤りかさん編)

お義母さんの七十歳の誕生日

私から夫に提案した。
「せっかくだから、いいところでお祝いしよう」

私が予約を入れた。
お店の外観を見て、お義母さんが「まあ」と言った。
その顔を見て、少しだけほっとした。
喜んでくれるかな、と 実はずっと思っていたから。

ほどけていく、心の距離

個室に案内されて、向かい合わせに座った。
薄暗くて、落ち着いた空間。 不思議と、気まずさが溶けていく気がした。

料理が運ばれてくるたびに、自然と声が出た。
「きれいですね」
「これ、わさびで食べるんですね」
「美味しい」

お義母さんも、同じことを言っていた。

気づいたら、子どもたちの話をしていた。
お義母さんが笑うたびに、いつもより笑い声が大きくなった。

こんなふうに笑う人だったんだ、と思った。

照れくさくて、いつもは言えない言葉

食事の途中、お義母さんが「ありがとうね」と何度も言った。
その声が、だんだん柔らかくなっていく気がして、 私まで嬉しくなった。

気づいたら「お義母さん、いつもありがとうございます」と
自然と言葉が出ていた。

照れくさくて、いつもは言えない言葉なのに。

帰り道、夫がぽつりと私に向かって言った。
「ありがとな」 いつもと少し、声のトーンが違った。

元気でいてくれたから、今日があった

いつもはなかなか言えない言葉が、ふっと出てしまう。
それが、あの場所のもっている力かもしれない。

元気でいてくれたから、今日があった。
家族はまだまだ深くなれる、と思った。

春の、午後のことだった。

後回しにしてきた日(新宮ゆうみさん編)

結婚記念日を、2人でお祝いしたことが
何年もなかった。

子どもが生まれてから、
気づけばずっと後回しにしてきた。

でもその日は違った。
子どもを保育園に送り出して、
少しだけ丁寧に支度をした。

きっかけは、あのお店だった

友人たちと訪れたあのお店。
その日の夜、すぐに夫に話した。

「すごく素敵なところがあって。 結婚記念日に、一緒に行きたい」

モダンな外観、お店に入るまでの雰囲気。
扉が開いた瞬間、ホテルに来たような気分だった。

夫が言った。 「いいね」
それだけで、来て良かったと思った。

顔を見合わせて、笑った

個室に案内されて、2人で座った。
配膳も、スタッフの所作も、
どこかホテルのような静かな丁寧さがあった。


料理が運ばれてくるたびに、自然と声が出た。
「きれいだね」
「これ、お茶なんだって」
「え、全然わからなかった」

顔を見合わせて、笑った。
久しぶりに、こんなふうに笑った気がした。

気づいたら、ずっと話していた

子どものこと。
これからのこと。
なんでもないこと。

ゆっくり話す時間が、
こんなにも久しぶりだったんだと思った。

帰り道、「また来ようね」と言った。
「来年も」と夫が言った。

後回しにできない時間が、ある

あのお店に来るたびに、
大切なことを思い出させてくれる気がする。

日々の忙しさの中で、
つい後回しにしてしまう、2人の時間。

でも本当は、後回しにできない時間が、ある。
それを気づかせてくれる場所が、あった。

3つの物語の舞台

大切な人との時間に、ふさわしい場所がある。
おおいた和牛の鉄板焼きと季節の恵みを纏った日本料理。
五感で味わう、大分の非日常。

鉄板kaiseki叶羽 ~modern japanese style~
住所:大分市豊町二丁目3番1号
電話:097-511-9582
営業時間:ランチ11時〜 ディナー17時30分〜
受付時間:9時〜 21時
定休日:水曜日
客席:カウンター/個室/ホール
最大収容人数:50人
駐車場:有
HP:https://teppan-towa.jp/

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