「もし1時間、何もしなくていい時間があったら、何する?」
そう聞かれて、すぐに答えられますか。
旅行、カフェ、ひとりで映画—— 頭ではいろいろ浮かぶのに、いざ「じゃあ来週の土曜、丸一日空けておくよ」と言われると、なんだかソワソワしてしまう。 気づけば洗濯物を畳んでいたり、子どもの予定を確認していたり。
「あれ、私、自分のために時間を使うのが、苦手になってる?」
そんな違和感を抱えているママ、きっと多いんじゃないかと思います。
今回は、九州各地に住む4人のママに、「自分の時間」についてゆるりと話してもらいました。 肩書きのある専門家ではなく、ごく普通に毎日を生きている、私たちと同じ立場のママたちです。
だからこそ出てきた、ちょっと意外な本音を、お届けします。
お話してくれた人
・草場ともみさん(佐賀のママ集まれ!/小4・小2・1歳の3兄弟のママ)
・戸田まおさん(宮崎のママ集まれ!/3歳の女の子のママ)
・姫野真衣さん(大分のママ集まれ!/小1・年中の姉妹のママ)
・渡邊ともみさん(佐賀のママ集まれ!/年長・年中の姉妹のママ)
聞き手:森田典子(九州のママ集まれ!副代表)
予定がパンパンの人、ちょっと羨ましく見える?
最初に、ちょっと答えずらいかな?と思いながら、次のことを聞いてみました。
周りのママを見ていて、「予定がぎっしり詰まってる人」を、どう思っている?
真衣さん(大分)「私、無意識のうちに予定を入れがちなんですよね。埋めたいわけじゃないんですけど、周りのママ友も、みんな『スケジュールパンパン』って口々に言ってて。『暇だな〜』って言ってる人のほうが、パッと浮かばないんです」
草ともさん(佐賀)「私は『何もしない日』が必要なタイプなんですけど……でも、予定がいっぱいある人って、ちょっとリア充っぽく見えて、憧れる気持ちもあるんですよね」
まおさん(宮崎)「分かる。SNSは見るけど、『この人、いつ休んでるのかな』って、ちょっと一歩引いて見てる感じはあるかも」
予定がたくさんあるママを見て、「すごいなあ」と思う気持ちと、「自分はそうなれない」と思う気持ち。
両方が同居しているのは、たぶん私だけじゃないんだなと、聞いていて少しほっとしました。
「予定が空いていると不安」も「予定で埋めないと自分の存在が分からない」も、誰かに言われたわけじゃないのに、なんとなく不安が刷り込まれている。
そういう空気感の中で、私たちは色々な役目のお母さんをしているのかもしれませんね。
いざ自由時間って言われると、何していいか分からない
ここからが、いちばん面白かった話です。
私も、「パッと言われた・・・考えちゃうな。あんなに日頃想像しているはずなのに・・」と思いながら質問をさせてもらいました。
「もし1日、家のことも子育てのことも何も考えなくていい、自由な時間をもらえたら?」
最初は、みんなスラスラ答えてくれました。
まおさん(宮崎)「誰のことも考えないなら、ほんとに家で一番楽な格好で、漫画読むか寝ます(笑)」
渡ともさん(佐賀)「私は家でゆっくりコーヒーやおやつを食べながら、ボーッとしたい」
ところが、「じゃあ、もっと長い時間あったら?」と聞いた瞬間、空気が少し止まったんです。
真衣さん(大分)「1日くらいかな……。でも、いざ24時間って言われても、何したいんだろうって今考えてました。何かしたいって思うときって、いつも娘たちとか家族とのことが浮かぶから」
草ともさん(佐賀)「24時間くらい欲しいかな。でも1泊までは……ちょっと寂しくなっちゃう、1人だと(笑)」
ずっと欲しいと思っていたはずの「自分の時間」。
いざ「自由にしていいよ」と言われたら、何をしていいか分からない。
自由な時間が欲しいはずなのに、1人で長時間いるのは、ちょっと寂しい。
これらの言葉が表しているように、それくらい私たちは、誰かのために時間を使うことが日常になっていて、自分の好きを、ちょっとずつ脇に置いているのかもしれませんね。
そして、さらに・・・
真衣さん(大分)「自分の時間って言ったら、『隙間時間』にもう慣れちゃってる気がします」
この一言が、いちばん核心を突いていた気がしました。
長年、九州各地のママと関わってきましたが、ここはおそらく、子どもが乳幼児期から小学生になっても、ずっとついて回るテーマなんだろうなと思います。
「自分の時間」という言葉自体に、もう「隙間」というニュアンスが染み込んでいる。
確かに、その通りですね。
5分の息抜きでも、なんとかなる
じゃあ、長い自由時間があればいいの?
そうじゃない。
4人とも、毎日のなかで「ふっと息を抜く瞬間」をちゃんと持っていました。
しかも、すごくささやかな方法で。
草ともさん(佐賀)「家に植物をいっぱい置いてるんですけど、霧吹きでシュッてやる時間が好きで。伸びてきた葉っぱをちょっと切って、水に挿して。誰も巻き込まない、私だけの時間っていう感じです」
渡ともさん(佐賀)「私は、洗濯物を干し終わって、ソファに座れた瞬間かな。あの『はぁ〜』ってなる一瞬」
まおさん(宮崎)「家族がお風呂入ってて、ご飯もできてて、『あ、15分くらい暇だ』って思ったら、もうその場でヘッ転がります(笑)。階段でも、お風呂場の前でも、動きを止めて、携帯で漫画読んだり、ラジオ聞いたり。動かなくなります」
霧吹きをシュッ。 ソファに座れた瞬間の「はぁ〜」。 その場でヘッ転がって動かなくなる。
笑っちゃうくらい地味で、特別なことは何もない。
でも、4人とも口を揃えて言っていたのは、「これがないとダメ」ということでした。
長い余白がなくても、5分の息抜きを、ちゃんと自分に許してあげる。
それだけで、私たちの心はなんとかなっているのかもしれません!
自分が満たされてると、家族にも優しくなれる
最後に、こんな話になりました。
そういう小さな時間を持っていると、自分にとってどんな良いことがありそう?
渡ともさん(佐賀)「心の余裕ができると、家族にも自分にも優しくなれる。それが一番大きいかも」
草ともさん(佐賀)「自分を大事にしてる感覚があると、ちょっと自律神経が整う気がするんです。イライラしてると小さなことで怒っちゃうけど、自分が満たされてると、『あ、そうなんだね』って許せる自分がいたりして」
ここで、「自分のための時間=わがまま」じゃないんだな、と改めて思いました。
むしろ逆で、自分の機嫌を自分で取れている人のほうが、家族にも子どもにも、ちゃんと優しくいられる。
ママが満たされていることは、家族にとってのいちばんの贈り物なのかもしれません。
だから、無理に何かしなくていい
ここまで話を聞いて、思ったことがあります。
「自由な時間がほしい」と思っている私たちは、たぶん、すごい何かをしたいわけじゃない。 旅行に行けなくても、ひとり時間が取れなくても・・・
ただ、霧吹きでシュッてする5分。
ソファに沈み込める一瞬。
夜にこっそりアイスを食べる時間。
それだけ、ちゃんと「自分のため」が少しでも確保できていたら、毎日は笑顔で生活が豊で彩り豊かになる。
4人のママの話を聞いて、そう思えたんです。
ひとりじゃない場所として
今日お話してくれた4人は、九州のママコミュニティ「ママ集まれ!」で活動している女性たちです。
こうして集まって、自分のことを少し話す——その時間自体も、私たちにとっての「ちょっとした余裕」なんだなと、改めて感じました。
朝活、お茶会、読書会、ピクニック—— いろいろなイベントを開いていますが、根っこにあるのは、「ママが、ちょっと自分に戻れる時間」を一緒につくっていきたい、という気持ち。
何かを学ばなきゃ、頑張らなきゃ、と気負わなくて大丈夫。 おしゃべりするだけでもいい。 聞いてるだけでもいい。
「最近、自分のことを話す機会、しばらくないな」 そう感じたら、ぜひ一度、お近くの支部をのぞいてみてください。
ママ集まれ!支部: 大分 / 福岡 / 佐賀 / 熊本 / 宮崎 / 鹿児島
