はじめに
双子や三つ子の診断を受けた時、多くのお母さんやご家族は「え!?」と驚かれます。不妊治療の経過から「やっぱり!」という方、「欲しかったから嬉しい!」という方もおられますが、多くの方は「これからどうなるの?」「どうやって育てるの?」など、様々な思いが交錯し始めます。
でも、「何が不安なのか分からない」と漠然としていたり、特に初産婦さんは赤ちゃんのイメージさえ湧かないのに、多胎の妊娠や育児といっても妊娠初期にはピンときません。
今回は、そんな多胎妊婦さんの妊娠初期に多いお悩み、リスクが高いと言われる理由、ご自身で出来ることや心構え、多胎家庭を取り巻く支援についてご紹介します。
何卵性?
赤ちゃん各々に胎盤やお部屋(膜)があるか、これは実はとても大切なことで、おおよそ予定日と同時期に診断されます。
胎盤を共有している場合、より慎重に経過を見ていくので、妊婦健診の回数が増えたり入院が早まる可能性があります。病院も状況に応じて適切に対応してくれるので、過度に心配せず早め早めの心構えや準備ができると良いですね。
大きい病院って何だかこわい…
「○○病院に紹介しますね」紹介状を渡されると、緊張するな…と思われるかもしれません。多胎の出産は、単胎に比べて母子ともにリスクが高く、より高度な医療を必要とすることがあります。
そのため、いざという時に対応可能な医療体制の整った病院にかかっておくと安心です。
もちろん、何事もなく母子ともに元気に出産を迎え、退院される方もいらっしゃいます。
リスクばかりが先行して不安でいっぱいにならないように、正しい事を知って自分に合った情報を得ることが大切です。
病院のスタッフはいつでもお母さんと赤ちゃんの味方です。不安なことはその都度尋ねて解決できると安心できますよ。
そもそもリスクが高いって?
リスクが高いと言われても、いまいちピンときませんし、不安も雪だるま式に大きくなりがちです。そこでどのような要素があるのか知っておくことも大切です。
① 赤ちゃんについて
胎盤や空間を共有していたり、早産で生まれることが多いことから、いわゆる「低出生体重児」で生まれる子が半数以上です。
NICUに入院する赤ちゃんも多くいます。
最初の項目でも触れましたが、胎盤を共有している赤ちゃん達は体重や羊水量に差が出てくることがあります。
その場合は早めに入院して、赤ちゃんの状態を注意深く見ていくことが必要な場合もあります。
② お母さんについて
多胎妊娠はお腹が大きくなるので、切迫早産になりやすい傾向にあります。妊娠初期から骨盤ケアを行う、しっかり支える等ご自身で出来る事も沢山あります。
血圧や血糖が上がりやすくもあるので、体を温める、規則正しい生活・バランスの良い食事を心がける、適度に運動する等、当たり前に思えることを実践してみましょう。日々の積み重ねがとても大切です。
あれもこれも心配!だけど支えてくれる人が沢山います!
「一人でも大変なのに…」「お金は倍かそれ以上?」「仕事や保育園は?」など、妊娠初期でも不安だらけ。でも、それに気づけたあなたは十分素晴らしいのです!
そこから、この先の生活を支えてくれる人たちと繋がりを持てるように一歩踏み出してみましょう。地域の助産師や保健師等の専門職をはじめ、沢山の人が多方面からサポートしてくれます。
また、同じく多胎家庭の先輩ママパパは、思いを共有できたり、色んなノウハウを伝授してくれたり、多胎家庭との繋がりを広げてくれたりと、大きな力になってくれます。
もちろんご家族の中での協力体制も大切ですね。
さいごに
多胎の妊娠や育児には思いがけないことが沢山あります。その時にSOSが出せる人と繋がっておくことがとても大切です。きっとあなたにとって大きな財産となりますよ。
大分県の多胎妊産婦さんの訪問等支援事業について
令和4年度より開始された「多胎妊産婦さんの訪問等支援事業」=ピアサポート訪問では、助産師と一緒に先輩多胎ママであるピアサポーターが後輩多胎ママのお家へ訪問し、仲間としてサポートします。
妊娠中に1回、産後(お子様が1歳になる頃まで)に1回の合計2回、無料でご利用いただけます。ピアサポーターには、今の困り事や先輩ママ(ピアサポーター)の工夫など多胎ならではのお話を、助産師には赤ちゃんのことやご自身の体のこと等ぜひ相談されて下さいね。
https://mama-atsumare.com/archives/8600