双子ちゃん、三子ちゃん、とっても可愛いけれど、 多胎児の子育ては、通常の赤ちゃんの子育てノウハウが通用しないことも少なくありません。
「大分のママ集まれ!」の多胎児育児を応援する活動をご紹介します。
多胎育児を知ってほしい
多胎児ママのエピソードの一部をご紹介します。
自分が3人欲しくなる
新生児時期は、同時に泣く、同時に授乳、同時にオムツ替え。抱っこの人2人、ミルクを作る人と、自分が3人欲しいと何度思ったことか。
タイミングがずれたら楽かというと、そうでもありません。1人泣いて対応、少し休めるかな?と思ったとたんに、次が泣くという感じで、疲労が蓄積するばかりで身体が休まる暇がありません。
とにかく寝させて~!それしか考えられない時期がありました。
抱っこしてあげたくてもできない
みつごなので、3人同時に抱っこは出来ません。同時に泣いていれば、誰か2人は我慢させるしかありません。
仕方なく、1人は抱っこであやしつつ、2人は部屋用のベビーカーに寝かせて足で動かしてあやす…で乗り切りました。
汚れ物は常に倍、買うものも常に倍
着替えも食事の汚れも常に倍。子どもの相手をしながらの家事はとても大変でした。
衣類や食品もすべて倍で揃えていかなくてなりません。出費が重なるのも大変です。
子どもは可愛いし、愛おしいと思う反面、出産前はもっと楽しい子育てができると思っていたのに、現実とのギャップに憂鬱な気分になったこともあります。
ママ友ができにくい
授乳の仕方、寝かしつけの仕方、離乳食のあげ方など、単胎児子育てママと悩みが違います。
そのため、同じ年頃の子育てママであっても、子育ての話が盛り上がりづらく、なかなかママ友が作れませんでした。
同じ多胎児ママさんと、日々の小さな喜びだったり、幸せだなということを話せる機会があったらなぁ〜と思いました。
とはいえ、子どもを連れての外出は、荷物も多くなるので難しいのが現実。
ママ友を作るなんて子どもが小さいうちは、ほぼ諦めてました。
多胎児ママへの応援活動と経緯
大変なこともあるけど、喜びや幸せも2倍3倍な多胎育児。
多胎児ママたちがもっと子育てを楽しめるように、もっと出来ることがあるよね。
そんな多胎児ママたちの思いから始まった活動内容と、その経緯をご紹介します。
サークルという話せる場をつくりました
多胎児を子育て中のママは、簡単に外出できません。2人分のベビーカーに着替えやおむつ、その重量はかなりの物。
さらに同じ多胎児ママと簡単に出会うことは難しく、家にこもってしまう方も少なくありません。
そこで、まず『多胎児ママ同志が会話できる場を提供しよう』から始まったのが「多胎児ママサークル」です。
サークル活動は、無料で参加できるオンライン上の立ち話の場。
多胎児ママサークルでは、ちょっとした悩み、楽しかったこと、育児のハプニングなど、日常の些細な事を話す場として利用していただいています。
毎日の不安が和らいだり、子どもたちとの毎日が今以上に楽しいと感じられるようになっていただけるような活動です。
主な活動内容
- LINEチャットでの会話を楽しむ
- オンラインお茶会の開催
サークル参加者の声
先輩ママさん達のお話聞けましたし、皆さんの頑張ってるお話とか聞いてすごく励みになりました。
アドバイスありがとうございました。
育休中で、どうしても社会と切り離されている感じとかあったんですけど、こうしてお話出来る機会があるのはとても嬉しいです。
皆さんから経験談やお言葉をいただいて、心の中もなんだかすっとして、こうやって同じ悩みの中でみなさんも頑張っていらっしゃるんだー‼︎と励まされました。
色々悩みながら試行錯誤しながら、毎日これでいいのかな~って考えながら、、特に今は外出できる状況でもないため家にこもり悶々と考えがちだったので、今日は皆さんとお話しできてアドバイス頂けて、本当に貴重な時間でした。
活動詳細
サークル活動を通してママの声が聞こえてきました
多胎育児をしているママが集まって、おしゃべりしていると、「こんなことに困っている」「もっとこうなったら良いのにね」という、具体的な声がたくさん聞こえてきました。
そんなママ達の声をサークル内で共有するだけだと何も変わらない。もっと沢山の人に伝えてみよう!
そこで「もっと多くの多胎育児を経験した方の声を集めてみよう」と多胎育児アンケート(以下アンケート)を実施することになりました。
多胎育児アンケートを実施しました
多胎育児を経験した方の声は、サークルに参加している方だけでは足りません。もっと広く声をかけて、少しでも多く集める必要がありました。
そこで、「大分のママ集まれ!」に参加している方にアンケートの拡散をお願いしました。
「大分のママ集まれ!」は、多種多様な女性が好きなサークル活動を楽しんだり、コラムの発信をしたりしています。
普段からおしゃべりを楽しんでいる間柄なので、皆さん快く拡散に協力してくれました。
また、新聞にも掲載していただいたこともあり、最終的に130件のママの声を集めることができました。
行政への働きかけ
多胎児ママの声を届けました
多胎児ママサークルが主体となり、アンケート内容を集計し、大分県こども未来課に伺い、「大分県の多胎育児アンケート報告書」を提出いたしました。
多胎育児の現状を話すとほとんどの方が驚かれていました。
アンケート報告書を元に、多胎育児の困りごとを説明し、困りごとに対する提案をお伝えしました。
内容については「大分県の多胎育児アンケート報告書」をダウンロードしてご覧ください。
多胎児ママの声で変わったこと
「大分県の多胎育児アンケート報告書」を行政に届けたことで、少しづつ変わり始めていることをご紹介します。
駐車場の利用対象の変更、期間延長に貢献
妊産婦さんなど、配慮が必要な人が利用できる、「あったかはーと駐車場」の利用対象や期間が延長になりました。
大分県こども未来課が「大分県の多胎育児アンケート報告書」をあったか・はーと駐車場のご担当部署に共有して下さり、駐車場の期間変更の参考資料として活用して頂けました。
変更前
単胎も多胎も一律 妊娠7ヶ月~産後3ヶ月
変更後
- 単体妊産婦さん
利用期間が産後12ヶ月まで延長 - 多胎妊産婦さん
利用期間が妊娠6ヶ月から産後18ヶ月まで延長
赤ちゃん訪問の保健師の資料として活用
大分市保健所では、大分市内の赤ちゃん訪問をされる保健師さん、助産師さん、看護師さんたちの研修会(全3回)の資料として「大分県の多胎育児アンケート報告書」を活用して下さいました。
アンケート報告書に書かれている多胎ママたちの声を読まれて、研修を受けられた保健師さんは、「多胎ママたちはこんな気持ちだったのか」「まだ私達にできることはあるね!」と仰っていたとの報告を頂いています。
報告書およびアンケート結果の配布
アンケートの報告書および、集計結果は自由にダウンロードしていただけます。
ママの声で変えていけるところがもっと沢山あるはず、と「大分のママ集まれ!」では考えています。
多くの方に実態を分かっていただき、よりよいサービスや支援に繋げていただけたら幸いです。
ダウンロードデータは基本的に、「大分のママ集まれ!」に不利益が生じない範囲で自由にお使いいただけます。
なお、取り扱いの規約を詳しく知りたい方は、下記を参照してください。
大分県の多胎育児アンケート報告書
アンケートの収集結果を分かりやすくまとめた報告書をダウンロードできます。
内容
- はじめに
- 回答者について
- アンケートから見える多胎育児の困りごと
- 多胎育児のサポートメニューの使いにくさ
- 情報収集の困難さ
- 多胎育児経験者との繋がりの必要性
- 多胎育児に関する社会の理解不足
- 4つの困りごとに対する提案
- おわりに
資料編:アンケート集計結果
アンケートの収集結果をダウンロードできます。
資料編:大分県の多胎育児に関するアンケート
2021年6月17日〜7月31日に実施した、アンケートの設問内容を掲載した資料をダウンロードできます。
子育て中の多胎児ママへ
大分のママ集まれ!では、多胎児育児中のママを応援しています。
サークルへ参加してみませんか?
多胎育児への思いを話してみたり、同じ境遇の方の声を聞いてみませんか?
大分ママの方で、LINEをお使いなら無料で参加することができます。
多胎児ママの声を冊子にしました
「多胎児を育てるママたちへ、大分の先輩ママ130人からのアドバイス」は、「多胎育児アンケート」をもとに作成したものです。
アンケートの中では、先輩ママたち130人が“後輩ママたちの力になれたら”と、たくさんの思いを綴ってくださいました。
その思いを、多胎育児中のママたちの手により1冊にまとめました。
これからの育児にお役立ていただけたら幸いです。