安定期?
胎盤が完成し、多くの方はつわりも落ち着き、一般的に「安定期に入る」と言われる妊娠中期ですが、多胎の妊婦さんにとって「安定している時期」というのは、なかなか難しいかもしれません。
でも多胎の妊婦さんだからこそ、今まで以上に自分の体や心の声に耳を傾けながら大切に毎日を過ごすことができる、かけがえのない日々でもあります。
揺れ動く気持ち、家族の役割等、移り行くことを感じながら、出産やその後の生活に向けて少しずつ準備をしましょう。
ママのこと
お腹はふっくらしてきて、後期も終盤になると「臨月?」という位の大きさに…。体への負荷も大きく、腰や背中、足への負担も増してきます。
骨盤は締め付け過ぎず、でもしっかりと支えること、座るときも坐骨を根付かせ骨盤を立てることを心がけましょう。体を冷やさないことも大切です。
貧血も進む時期。鉄分やタンパク質等、お食事の内容も少しだけ気にかけてみましょう。
切迫早産等様々な理由で妊娠中からご入院される方も多いため、急に入院となった場合の荷物は早めにまとめておきましょう。
育児物品、上のお子様のこと、ご家族のサポートも含め、早め早めに準備しておくことが大切です。
赤ちゃんのこと
妊娠20週前後で「胎動」を感じ始めますが、これがとても大切なサイン。赤ちゃんは少し小さめで発育することがほとんどですが、それぞれの赤ちゃんが元気に動いているか、これはいつも心に留めておいていただきたいことです。
一卵性の場合は赤ちゃんの体重や羊水量に差が出てきたりすることもあり、外来で慎重に健診を重ねたり、場合によっては入院となることもあります。
どんな場合でも、心配なことは遠慮せずに妊婦健診で尋ねてみましょう。不安なことは一つずつ解消していけると良いですよ。
仕事やお金のこと
働かれている方は、妊娠26週から産休に入ります。引継ぎ等も早めに取りかかれると良いですね。またマイナ保険証でない場合は、限度額適用認定証を準備しておきましょう。妊娠中でも加入できる保険もありますので、検討されるのも良いかもしれません。
お腹は思った以上に大きくなっていきます。立ち仕事、夜勤、外勤等調整が必要な時は、上司に相談しながら無理のないように過ごしていきたいですね。
家族のこと
里帰りするか、親御さんの支援が得られるか、パパは育休を取得するか。
退院後の生活を見据えて、スケジュールや役割分担をイメージしておきましょう。準備していてもその通りにはいかないもの。その都度また話し合い、家族のバランスをとっていくことが大切です。
ヘルパーやファミサポ等、他のサポートを活用することも選択肢の一つ。妊娠中からリサーチしておくと、いざとなった時に慌てることが少なくなるかもしれません。
最も重要なのは「育児はみんなでする」という価値観を、事前にご家族で共有しておくこと!ですね。
お産のこと
妊娠中のことに気持ちが向きがちですが、赤ちゃんに会う日も1日1日近づきます。出産方法(自然分娩or帝王切開)についても、大切な選択となります。
ママと赤ちゃんの状況で初めから帝王切開となる方もいらっしゃいますが、ギリギリまで悩まれる方も。
どちらも立派なお産。赤ちゃんをどう迎えたいか、その時間を誰とどのように過ごしたいか、生まれたらまず何をしたいか等、思いを巡らせるその過程こそがとても大切です。「主役はあなた自身」です!
さいごに
「準備することや考えることがたくさん!」と感じられたかもしれません。
そんな時に頼りになるのが、多胎家庭の先輩ママパパ。同じ経験をしたピアさんだからこそ、たくさんの引き出しを持ち合わせています。
「お話を聞いてみたい」という方は、ぜひ「多胎妊産婦さんの訪問等支援事業」をご活用くださいね。
大分県の「多胎妊産婦さんの訪問等支援事業」をご利用ください
「多胎妊産婦さんの訪問等支援事業」=ピアサポート訪問では、助産師と一緒に先輩多胎ママであるピアサポーターが皆様のお家へ訪問し、仲間としてサポートします。
妊娠中に1回、産後(お子様が1歳になる頃まで)に1回の合計2回、無料でご利用いただけます。ピアサポーターには、今の困り事や先輩ママ(ピアサポーター)の工夫など多胎ならではのお話を、助産師には赤ちゃんのことやご自身の体のこと等ぜひ相談されて下さいね。
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