産褥期は、出産で受けた体のダメージをゆっくり回復する過程にあり、また赤ちゃんとの慣れない生活に、余裕を持てずに日々過ごしている方がほとんどではないかと思います。
そんな中、パートナーからの何気ない言葉に落ち込んだり、余計なことを口にして相手を傷つけてしまったり、本来伝えたい言葉を上手に伝えられなかった経験ありませんか。または言いたいことをグッと飲み込んで、更にストレスを溜めてしまったり。
「アサーション」を意識すると、「こんなはずじゃなかった」を無くせるかもしれません。
アサーションとは
自分の気持ちと相手の気持ち、どちらも大切にするコミュニケーションスキルのこと。言いづらい事を我慢することなく上手に伝えるスキルとも言えます。自己主張をするわけですが、一方的に自分の主張を述べるのではなく、相手も尊重しながら自己表現を行うことを目指します。
例えばこんな会話ありませんか?
妻 「はい、これ。」
夫 「コンビニも近くにあるし、わざわざ弁当作らなくてもいいのに。」
妻 「せっかく作ってあげてるのに何それ?!いらないならいい!コンビニがいいならそっち食べれば?!」
夫 「そんな、別に無理して作ってもらわなくてもいいし!」
こんなありがちな夫婦の会話。多少中身は違えど、1度や2度は経験ありませんか?
アサーションを意識すると、変わるかもしれません。
妻「はい、これ。」
夫「ありがとう。でももし無理して早起きしてるんだったら、申し訳ない。夜中授乳で眠れていないのだから、朝は少しでも長く寝ててほしい。」
妻「朝起きるのはきついけど、栄養のことも気になるし、手作りを食べてもらう方が安心。お弁当箱を空っぽにして帰ってきてくれるのも嬉しいのよ。でもきつい時には休ませてもらうわ。」
夫「そんな風に考えてくれているなんて知らなかった。いつもありがとう。」
相手の気持ちもおもんばかりながら、自分自身の主張も表現する。この意識が身につけば、気持ちのすれ違いも避けられそうですね。
ちょっとした心がけ
自分にも相手にも考えはある
例えば「こうして欲しいな」「でも言いにくいな」とあなたが感じているように、もしかしたら相手も同じように感じていることがあるかもしれません。私を理解して欲しいし、私もあなたを理解したい、という気持ちがあれば、一方的な主張に終わらずに済みそうですね。
アイメッセージ
「自分(アイ:I)」を主語にした伝え方です。
例えば、パートナーに洗濯をして欲しい時。
「(あなたが)洗濯して。(あなたは)時間あるでしょ?」と言ってしまいますよね。
これは「あなた(ユー:YOU)」が主語になっています。
これをアイメッセージに変えると
「(私は)授乳で疲れちゃった。(私は)洗濯してもらえると助かるな」となります。
自分の感情を伝えることで、相手がどう行動に移すか、その判断は相手に委ねる、というアイメッセージ。相手を尊重した伝え方になりますね。
最後に
余裕のない中、いつでもどこでもアサーションを取り入れるのは難しそうですが、パートナーとのコミュニケーションにふと違和感を感じた時、お互いの言動を振り返ってみるのもいいかもしれません。
『自分は我慢しない・相手にも我慢させない』『相手を批判しない・相手にも批判させない』アサーション。少しでも心穏やかに過ごしたい産後の生活、パートナーとのコミュニケーションがより心地良いものとなれば、気持ちにも余裕が少し生まれそうですね。